STORY
国内最大のレースであるチャイナ・ラリーを頂点として、中国ではカーラリーが熱狂的な人気を誇っている。チャン・チー(シェン・トン)はかつてレース界のチャンピオンとして君臨。誰もが憧れるスーパースターだった。しかし事件に巻き込まれて逮捕され、すべてを失ってしまう。家も車もトロフィーも手放し、残されたのは当時のレーシングスーツと、人気絶頂の頃に車の上に置き去りにされていた赤ん坊だけ。今では露天商として生活しているチャンは、成長した息子をレースカーではなく自転車に乗せて街を走っていた。
5年間の出場停止期間を終えたチャンは、やはり今でもレースへの思いが断ち切れない。ナビゲーターだったソン・ユーチャン(イン・ジョン)と再会し、復帰への道を探りはじめるが、金も車もない彼らにとってそれは不可能なことのように思われた。
チャン不在のレース界には若き天才ドライバーが出現していた。彼の名はリン・ジェントン(ホアン・ジンユー)。リンはかつてテレビの前でチャンの試合に釘づけになっていた。今でこそ立場は変わってしまったが、交錯する2つのプライドは、まるで神話の馬ペガサスと百獣の王ライオンのようだった。
やがてチャンの元に、メカニックだったジ・シン(チャン・ベンユー)も帰ってくる。これでチームスタッフは揃った。ソンの貢献のおかげで何とか金の工面もできた。車は廃車場から手に入れたフレームで造り上げた。チャンピオンシップを目前に控え、クリアしなければならない難題はまだまだあるが、これでやっとスタートラインにつける! そう思っていた彼らに、更なる災難が降りかかるのだった…。